「教育の産経」がこんな無様な社説を載せるとは夢にも思わなかった。また「産経抄」も的はずれだった。43年ぶりに行われた、全国学力テストの話である。産経は記者も論説委員も、沖縄の集団自決と教科書検定問題で頭がいっぱいなのか、重大なケアレスミスを犯している。
▼産経の記者は、とかく教育問題はなんでもかんでも「日教組の悪」で片づけようとする嫌いがある。ひとことで言えば「悪平等」だ。産経によると、このテストに反対するものはみな「悪平等主義者」で、「競争原理を否定する」旧社会主義国のような考えの持ち主、ということになるようだ。
▼前回のテストが43年も前だから、以前のテストがどうして昭和30年代で終わったのか、取材した記者はもう、とっくに辞めているはずである。じゃあOBでも文科省関係者でも誰でもいい、以前のテストがどうして終わったのか、産経は少しでも取材をしたのだろうか。紙面を見る限り、そんな形跡は一切ない。
▼現場の教師が言うことは、得てして的を射ているものである。「対策中心の授業になってしまい、ほかの教科がおろそかになる」という意見が出たならば、どうして素直にそう受け取ってやれないのか。事実、43年前の調査では全国で対策・競争の嵐が吹き荒れ、現場は大混乱に陥った。だから廃止されたのだ。
▼科目は国語と算数・数学だけ。対象は春休みボケの小6と中3。テスト範囲は「小6」と銘打っても内容は5年生レベルで、小学校の教育範囲全体を反映したものとは言えず、ひとことで言えば「だからどうしたの」というテストである。もっとひどい話がある。ある自治体では、テスト当日に欠席した「できる生徒」を、車で迎えに行ったという。
▼秋田など僻地が上位に入ったと騒いでいるが、単に塾通いをすることがない暇な地域の児童・生徒が対策勉強に狩り出されただけじゃないのか?43年も前に終わってしまったアホなテストが、どうして今ごろ復活したのか、その原因を究明するのが記者としての役目じゃないのか。産経新聞社会部教育班、たるんでるぞ。
このブログエントリのトラックバック用URL:
http://nn2zhduknn.iza.ne.jp/blog/trackback/364069


by inemuri
自転車に冷たい国、ニッポン。